古民家再生事例

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古民家再生事例

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素材を活かす ~古材の持つ可能性~

末廣邸/北宇和郡鬼北町
築年数:3年
テレビ愛媛「南予の古民家再生プロジェクト」07年9月15日放送

■古民家への愛情と夢

 二段構えの上がり框、箱階段、しっかりと年輪が刻まれた柱と梁・・・。

 この家に一歩足を踏み入れると、なんとも言えない懐かしさを感じた。しかし、建てられたのは平成一七年だという。

 家を建てた棟梁、西村康男さんに話を聞いてその懐かしさの理由が分かった。なんとこの末廣邸は、別の場所に建っていた古民家を解体し再度組み直された、いわゆる古民家移築の建物。

 施主の末廣さんはこう語る。「昔から古い物が好きでね、古民具とか。古民家に住むのは若い頃からの夢だったんですよ。」

 宇和島市三間町にあった築約一五〇年の古民家。取り壊される話を聞いた末廣さんは、その家を廃材を含めてまるごと購入。そして古民家移築の話を進めていった。

 まず、解体作業が始まった。住む人が無く、荒れ果てた古民家。しかし、木組みを見てみるとその木材は十分に活用できるものだった。結果、五割の古材がそのまま使用され、新築でありながら古民家の風情と質感のある家が完成した。

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    白と黒を貴重とした凛としたデザインの外観。
    壁は漆喰塗りで仕上げられている。
    宮大工の工法で建てられた家の木組みには釘が1本も使われていない。

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    「部屋数を増やすより、快適な空間を」という施主の要望により、天井までの吹き抜けに。
    見事に組まれた梁組みは、見る者を圧倒する。

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    施主の希望で作られた箱階段。
    裏側にも収納があり、機能的になっている。

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    古材を活かして組まれた梁。
    木の肌にはヤニが吹いており、まだ生きている事がわかる。

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    解体した古民家にあった掛け軸をふすまに転用。江戸時代末期。吉田町の医師が書いたもの。

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    格(ごう)天井。神社仏閣によく用いられる様式。大工の遊び心で取り入れられた。

井上幸一さん

(株)ヴィンテージアイモク代表

古材鑑定士
井上幸一さん

■古材の魅力とは

 よく言われていることですが、古材は新材より剛性が劣るということは全くありません。

 そもそも木材は、植えてからおよそ100年経って切り出され、その後、新材として市場に出るのですが、実は、切り出されてから200年経った材が一番状態が良いと言われています。もちろん木の種類によって個体差はありますが。つまり古民家として数10年、100年と経った家に使われている木材は、今まさにベストな状態にあると言えます。

 「古材を活かす」というのは、「モノ」ではなく「事」だと私は思っています。「昔の思い出を残す“事”」、「古いものを大事にする“事”」

 そういった“事”が、文化を後世に伝えてゆくことに繋がるのではないでしょうか。